受賞者インタビュー
2024-2025
Ademola Falomo
ナイジェリア
動画部門 5分フィルムカテゴリー
グランプリ
ー ニコンフィルム&フォトコンテストに応募したきっかけは何ですか?
私は、自分のストーリーテリングが、いつもの身近なコミュニティの中だけでなく、本当にグローバルな基準の中でどこまで通用するのかを試したいと思い、応募しました。ニコンのコンテストは、予算や話題性よりも、技術、感情、そして明確さが重視される、非常に貴重な場だと感じたのです。「Finding Serenity (静寂を求めて)」は、騒がしさのただ中で静けさを求めていた、私自身の個人的な時期から生まれました。この作品を応募することは、その探求を誠実に共有するための私なりの方法でもありました。また、ナイジェリアのストーリーテリングを国際的な舞台で表現し、丁寧に語られた物語がいかに普遍的になり得るかを示したいという思いもありました。
ー 受賞作品を撮った時のエピソードを教えてください。
この作品は詩をもとにした短編だったため、一秒一秒に意味が求められ、最大の課題は「魂を失わずに削ぎ落とすこと」でした。撮影は小規模で集中力を備えたチームで行い、特に「静けさ」が生きたものとして感じられる瞬間では、光・音・演技のすべてに強い意図を持つ必要がありました。現場では即興的な対応を迫られる場面もあり、感情のリズムを守るために、立ち位置やカメラの選択をその場で変更することもありました。このプロセスを通して、制約は判断を研ぎ澄まし、物語をより洗練されたものにするのだと、改めて実感しました。
ー 最近の活動について教えてください。受賞後、ご自身のキャリアなどに変化はありましたか。
受賞して以降、私は単なる「良いアイデア」ではなく、明確な声と強い感情の核を持ったプロジェクトを育てることを、より意識するようになりました。この賞によって、新たな対話やコラボレーションが生まれ、自分の制作プロセスをより広いコミュニティと共有する機会も開かれました。同時に、自分自身の基準も引き上げられ、制作に入る前に、この映画が本質的に何を語ろうとしているのかを磨き込むための開発期間に、より多くの時間を割くようになりました。そして何より、自分のルーツから生まれた物語であっても、正確さと誠実さをもって語れば、遠くまで届くのだということを、改めて実感しました。

ー あなたにとって「写真を撮る/動画を撮る」とはどういう意味を持っていますか。
私にとって撮影することは、人に、細部に、そして表面の奥にある真実に注意深く向き合う行為です。映画や写真は、言葉では説明しにくい感情を、他者が体験できる形へと翻訳する手段でもあります。それはまた、記憶のかたちでもあり、時間に消し去られたくないものを捉え留める行為です。そして最終的には、人生を理解するための私なりの方法であり、その「理解」を他者に手渡すことなのだと思っています。

ー ニコンフィルム&フォトコンテストに応募を考えている方にメッセージをお願いします。
完璧さではなく、誠実さをもって応募すること。まずは、自分が本当に大切にしている「現実の何か」から出発し、その感情を支えるための明確な選択を積み重ねてください。シンプルに、しかし正確に。そして、技術は物語に仕えるものであって、その逆であってはなりません。また、理想的な条件が整うのを待たないことも大切です。このコンテストは、どこで制作していようと、強い視点さえあれば、その作品は遠くまで届くのだということを証明しています。

