Nikon Photo Contest 2018-2019

グランプリ
Next Generation 部門 単写真

金賞

Ayimpoka

Sara De Antonio Feu

スペイン

ストーリー

Ayimpokaはボルガタンガ(ガーナ)の小さな町に家族と住んでいる。長年、アルビノ(先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患)の人々は差別と迫害を受けている。アルビノの子どもたちが、呪術を信仰する人々によって殺害される場合もある。しかしAyimpokaの家では、誰もが彼女を愛し、守っている。地元のNGOは週に一度彼女の世話をしている。この撮影をした日、彼女はマラリアから回復し、一日中日光浴していたので、かなり日焼けしていた。

コメント

2カ月前、私はボルガタンガに行き、この写真を印刷してAyimpokaに渡しました。この作品が受賞したと知ったら、彼女はとても喜ぶでしょう。受賞の知らせとともに、1年分の日焼け止めを彼女にプレゼントしたいと思います。作品を評価していただいて、ありがとうございます。

審査員コメント
ネヴィル ブロディ
審査委員長

見る者すべての心に触れ、直に語りかけるこの写真は、極めて巧みかつ簡潔に人間を物語っていると感じます。この写真は苦悩という背景をくっきりと浮き彫りにしつつ、被写体には希望と慈愛が見て取れます。抱きかかえる側の子供が醸し出す前向きな力強さがリアルに描かれていて、自らの手をつい差し伸べたくなるほどです。
背後には、たわわに実った農作物が遥か遠くまで広がり、青空が地平線を描いています。沈みゆく太陽の温かみと、画面全体を染める夕暮れの柔らかい雰囲気、これらすべての要素が写真に希望と明るさを添えています。

また、構図にも思いやりが感じられます。上から構えるのではなく、子供たちの目の高さにレンズを合わせ、その無防備で無垢、純粋な姿を捉えています。

日々繰り返されるこの迷信、差別や偏見には衝撃を受けますが、愛情と保護がもたらす大きな違いをこの写真から知ることができます。この写真は、人間性や明るい気持ちで他者と接し共感し合うことの大切さを思い起こさせてくれる一枚です。自己中心になりがちなこの時代だからこそ、グランプリ受賞に相応しい作品です。

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