Nikon Photo Contest 2014-2015

カテゴリーC 自由テーマ、単写真:2位

横断

Ali

イラン

コメント

私はイラン人の写真家ですが、アフガニスタンのライフスタイルにはなじみがあります。なぜならば、彼らの文化、宗教、言語は私達のそれに似ているからです。そして一番の理由は、我が国がアフガニスタンの隣国であるということです。アフガニスタンの人々は、長い歳月を戦争と共に生きてきました。この間、たくさんの人々が亡くなっては、墓地に埋葬されてきました。2013年の冬、私はカブールにいました。厳しい冬の間、寒さから身を守る術がない為、たくさんの家族達が寒い地域から暖かい地域へと移動します。極貧の人々は移動すらできずに、厳しい貧困生活を送ります。ほとんどのアフガニスタン人は、電気ストーブやガスストーブを持てないため、木々を燃やして暖を取ります。長い冬の間は、燃える木の香りがいつも漂い、冷たい風が山から吹き降ります。アフガニスタンは世界でもっとも過酷な場所の一つと言えます。タリバン政権崩壊後の今日、殆どのアフガニスタン人にとって、戦争で荒廃した国の再建という急務が日常生活の中心になっています。
明るい面を見れば、タリバン政権によって殆どの娯楽に対して強いられた禁制が解除され、社会にはよりリラックスした雰囲気が漂っています。アフガニスタン人は再び彼らの日々を楽しみ、平穏でよりよい未来を築こうとしています。
冬の降雪中は写真撮影のもっとも難しい時期です。寒さと雪からカメラを守るために困難が多くありました。首都カブールは凍てついていました。カブールは標高約1800mに位置しているため、ここではよく雪が降ります。私の写真は人々にさまざまな困難を見舞うアフガニスタンの厳しい冬を表現したものです。

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